雑誌:Intrernational Journal of Colorectal Disease 2018年
がん研有明病院の山口先生
静岡がんセンターのロボットの報告
Introduction
従来型腹腔鏡手術では拡大視が可能だが、深くて狭い骨盤内では、不十分な視野のなか、曲がらない直線鉗子により操作が難しい。
COREANでは開腹移行は1.5%であったが、その他の試験ではかなり多い。
ロボットでは、多関節鉗子・モーションスケーリング機能(コンソールで動かした距離よりも小さい縮尺で動かすことができる機能)・3Dなどの利点がある。
Methods
静岡がんセンターの単施設
短期成績:2011-2017年の551人
長期成績:2011-2014年の204人
Results
短期成績
64歳、男性68%、BMI 23、Ra:19%、Rb:67%
術前放射線化学療法は8%
90%で括約筋温存、側方郭清は34%で施行、17%で一時的人工肛門造設
手術時間は257分、出血量は10ml
開腹移行率はゼロ!
CD>2の合併症が12%、CD>3は3%、
CD>3の縫合不全が2%
排尿障害が9%
側方郭清した症例の19%がリンパ節陽性
顕微鏡的断端陽性が1%
長期成績
Discussion
今回の試験で出血量少なく、輸血なし、開腹移行率はゼロ、合併症少ない、断端陽性も低率であった。
ロボット直腸切除は排尿・生殖機能の回復が早い報告がある。今回の報告は排尿障害も少なかった。
コスト解析が行われていない。
感想
日本で一番直腸切除をやっている静岡がんセンターの報告でした。
開腹移行率がゼロ。
側方郭清なしで手術時間212分、ありだけだと414分。
出血量は側方郭清なしで5ml、ありで20mlという尋常でない数字が出ています。
長期成績も良好な結果でした。
これが多施設での成績で維持できるのかと言われるとかなりの疑問ですが…