雑誌:Japanese Jounal of Clinical Oncology
国立がんセンター中央病院の塚本先生の論文
Introduction
従来式腹腔鏡手術は疼痛軽減、優れた整容性、在院日数の短縮、回復期間の短縮の点で有用である。開腹手術と同等の無病生存・全生存が得られる。従来式腹腔鏡手術は、骨盤内の限られたスペースで、制限された動きとなり、開腹移行率が高く、マージン陽性率が高いとされる。ロボット手術は安定した3Dの拡大視が得られ、手振れ補正があり、関節を有している。側方郭清にも短期成績で有用との報告がある。
Methods and Results
国立がんセンター中央と東病院のPhase IIスタディ。
2014-2016で50人が参加。RSが20%、Raが34%、Rbが46%
術式はHARが12%、LARは64%、ISR22%、APRが2%
側方郭清が6例、12%で施行。
側方郭清なしで手術時間は306分、ありも含むと347分
コンソール操作までに34分、コンソール操作194分、再建71分
一次的人工肛門が50%で造設。
Conversion rateは1例、2%で出血がコントロールできなかったため。
Leakは1例、2%。
Limitation
1.RCTではないこと
2.短期評価であること
3.性機能・排尿機能評価は行われていない。
感想
Leak率は2%であるものの、Diverting stomaは半数で造設されており、評価はやや困難。
Diverting stomaの閉鎖率は本文で記載なく、肛門機能についても続報が必要ではなかろうか。
ロボット手術は、導入当初時間がかなりかかる。
コンソール操作自体だけでなく、ドッキング自体にかかる時間もやはり習熟が必要であろう。
コンソール操作でも、Arm自体の干渉もかなりの問題となる。
習熟に合わせて、どれぐらい短縮可能かの報告が待たれる。